2015年12月24日木曜日

事故は避けられない?

 今回は、米国のブログ(Kind Hearted Capitalist)で2015年7月18日に取り上げられていたカリフォルニア州ピッツバーグ市の石油ターミナル計画に関する意見「Accidents are Unavoidable」(事故は避けられない)という情報を紹介します。
カリフォルニア州ピッツバーグ市の石油ターミナル計画
■ 事故が起こるのは当然でしょうか? 
 私は完璧ではありませんし、完璧な人なんていません。私は雨の日に車の窓を閉め忘れたことがあります。また、網戸を半開きにしたまま出掛けたので、近所のハエが新しい住処として大勢やってきていました。人間が忘れたり、見落としたり、抜けたりすることは少なくありません。しかし、普通の生活では、大きな問題になることはないでしょう。

■ ピッツバーグ市のウェブサイトに、ウェスト・パック・エナージー社(WesPac Energy LLC)が計画している石油ターミナルのウェスト・パック・エナージー・ピッツバーグ(WesPac Energy–Pittsburg)環境影響報告書が掲載されています。正直なところ、私は楽しく読めませんでしたし、うんざり感とある種の怖さを感じました。このように感じる書類は夜に読むようなものではありません。あなた方が読まなくて済むように、報告書のハイライトを紹介しましょう。つぎの文章は、ウェスト・パック・エナージー・レポートから直接、抜粋したものです。
● 環境影響報告書の第10章から:
  石油貯蔵タンクの事故に関連する火災・爆発の一般的な原因としては、落雷の次が人為ミス(ヒューマン・エラー)である。2006年のチャン氏とリン氏の研究によると、人為ミスによる原因は30%である。タンク過充填および溶接や機械的な摩擦(例えば、グラインダー)を含めたメンテナンス・エラーが、事故の主な原因である。
ボイルオーバーの例 
(写真はKindheartedcapitalist.comの動画から引用)
■ 石油貯蔵タンクの火災や爆発事故が起こったときのことを、どのように見るかです。普通、事故の想定は市の真ん中でなく、石油タンク1基だということです。しかし、ここで、発災タンクの近くに別な貯蔵タンクが15基あった場合のことを想像してみてください。あるいは、発災タンクから200ヤード(180m)しか離れていないところに学校がある場合を考えてみてください。

■ ウェスト・パック・エナージー環境影響報告書には‘放出’(リリース)という言葉がたくさん出てきます。これが意味するところは、まわりの環境へ危険性物質が放出されるということです。
● タンクからの放出の一般的原因: 石油貯蔵タンクからの大量放出の主な原因は、火災、爆発および設備故障である。そして、これは石油貯蔵タンク事故に共通する。

地震およびタンクの割れ
■ 設備故障や自然災害もタンクの‘放出’事故の原因となります。当該プロジェクトの建設地は地震活動の活発な地域です。サンフランシスコ・ベイエリアは、全体として、米国国内で最も地震活動の活発な領域のひとつにあります。

■ 1997年統一建築基準の中で、全ベイエリアは地震リスクゾーン4に入ります。地震リスクゾーン4は最大の地震リスク領域を示します。米国地質調査所(USGS)カリフォルニア州地震発生確率の作業グループが出した2003年のレポートによると、 2032年までにサンフランシスコ湾地域にある主要な断層のひとつがマグニチュード6.7を超える地震を起こす確率は62%だと推測されています。
● 環境影響報告書から:
 疲労、地震動、地盤沈下によってタンクに割れのできる可能性がある。割れは底板あるいは溶接端で発生することが多い。タンク底板、側板、屋根部にも、内外面に腐食の出る可能性がある。
サンフランシスコ・ベイエリアにおける地震発生確率
(図はKindheartedcapitalist.comから引用)
■ 2・3マイル(3~5km)の範囲内に主要な活断層が何本か走っている。サンアンドレアス断層、ヘイワード断層、カラベラス断層、ロジャース・クリーク断層は、この地域に大地震を生み出す最大の脅威となっている。このほか、コンコード-グリーンバレー断層、クレイトン-マーシュ・クリーク-グリーンビル断層、マウント・ディアブロ逆断層を含めて主要なベイエリア断層は、ウェスト・パックのプロジェクト・エリアにおいて大きな地盤震動を生む可能性がある。

■ つぎの写真は、大きな地震後に起った日本の製油所で発生したタンク事故の様子である。
大きな地震後に起った日本の製油所でのタンク事故 
(写真はKindheartedcapitalist.comの動画から引用)
補 足
■ 「ピッツバーグ」(Pittsburg)は、米国カリフォルニア州のサンフランシスコの東に位置するコントラコスタ郡にあり、人口約66,000人の市である。
                                       カリフォルニア州ピッツバーグ市の周辺地域   (写真はグーグルマップから引用)
■ 「ウェスト・パック・エナージー社」(WesPac Energy LLC)は、1998年に設立され、石油・天然ガスの物流を担うエネルギー会社である。カリフォルニア州アーバインを本拠地に、北米で石油・ガスの物流施設を所有し、操業している。

■ ウェスト・パック・エナージー・ピッツバーグ(WesPac Energy–Pittsburg LLC)は、ウェスト・パック・エナージー社とオイルタンキング・ホールディング・アメリカ社(Oiltanking Holding Americas, Inc.)の合弁事業で、カリフォリニア州ピッツバーグ市にある既設の石油貯蔵・輸送・桟橋施設の近代化と再操業化を図るために設立された石油ターミナル会社である。
 計画は2015年末までにすべての許可を得て、2016年半ばに着工し、 18か月の建設期間が予定されている。貯蔵タンクは17基の増改造が計画されている。この計画に伴い、2013年に環境影響報告書が作成され、ピッツバーグ市のウェブサイトに公開されている。この評価書は24章に分けられており、第10章がハザード(Hazard)の章で、この章だけで75頁ある。
ウェスト・パック・エナージー・ピッツバーグの石油ターミナル改造プロジェクト
(写真はCi.pittsburg.ca.usから引用)
■ 「チャン氏とリン氏の研究」とは、以前、このブログにも紹介した「貯蔵タンク事故の研究」(A Study of Storage Tanks Accidents)である。

所 感
■ 米国の石油ターミナルの建設(改造)計画について、地震などを憂慮する意見があることに少し驚いた。確かに、カリフォルニア州は北米プレートと太平洋プレートの境界域による地震活動の活発なところであり、2014年8月にカリフォルニア州北部を震源とするマグニチュード6.0の地震が発生し、数十人が負傷し、住宅の火災、停電が起こっている。 古くは、1906年のサンフランシスコ地震では、マグニチュード7.8の大地震によって市街地が壊滅的な被害を受けている。
 しかし、地震を憂慮する理由の大きな要因のひとつは、2011年3月の東日本大震災(東日本太平洋地震)における貯蔵タンクの事故であろう。日本では、当時、津波による被害と福島原子力発電所の事故が大きく報じられ、そちらに注目が集中してしまったが、海外では、日本国内よりも貯蔵タンクの事故に関心を持っていると感じる。(正確に伝えられているかやや疑問もあるが)
(注記) 東日本大震災における貯蔵タンクの事故に関して海外で取り上げられた例を当ブログで紹介したのは、つぎのとおりである。

■ この資料の中で指摘されているハイライト部は、環境影響報告書の中の記載事項であるが、断片的であり、出てきた背景が分かりづらい。日本の環境影響評価書と異なり、この環境影響報告書では、ハザード、すなわち対象物が持っている火災爆発の危険性、人の健康障害の原因となる有害性、環境への影響について分類し、その程度を評価するという「ハザード評価」(ハザード・アセスメント)を行っている。このために、事故の分類や発生確率について言及しており、その一部がハイライト部として取り上げられている。
 欧州ではハザード評価が広く行われているが、米国でも石油ターミナルの建設(改造)計画に対してハザード評価が行われるようになっていることを示している。
(注記):ハザード評価については、当ブログの「大型石油タンクのハザード評価の方法」を参照)

備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Kindheartedcapitalist.com,  「 Accidents are Unavoidable 」, Kind  Hearted  CapitalistAuthor: Jennifer,  July  18, 2015
     ・Ci.pittsburg.ca.us,  WesPac Pittsburg Energy Infrastructure Project,  2013 WesPac Recirculated DEIR Chapters [PDFs],  July  15, 2015


後 記: 今回の資料は、これまでと違ってKind Hearted Capitalist(心優しきひとりの資本主義者)というブログの情報からまとめたものです。米国の中でカリフォルニア州は地震に敏感だということが分かり、石油ターミナルの建設計画に関する意見のひとつを知ることができました。ブロガーは、東日本大震災のタンク事故のニュース映像(動画) を引き合いにして、この地域でこのような事故が起こると考えると、恐ろしく、悲しいといい、市議会が計画を許可しないよう望むと締めくくっています。この最後の言葉は本文中には入れませんでした。環境影響報告書で述べられているハザード評価は別な機会に紹介したいと思いつつ、今回のまとめを終わりました。

 

2015年12月17日木曜日

ボイルオーバー =眠れる巨人=

今回は、石油貯蔵タンク基地などで起こった火災事故の消防対応の業務を行う会社として有名なウィリアムズ・ファイア&ハザード・コントロール社が公開しているCode Red Archivesの中から、ボイルオーバーについて語っている情報を紹介します。
■ 工場において異常事態が起こり、火災が発生すれば、確かに危険な状態で非常に動揺する。一方、経験豊かな消防士が対応していれば、恐怖心がないようにみえる。そのような消防士は、火災を幾度も間近に見る経験をし、あるいは火との戦いを経験し、火災の特徴や挙動について精通することによって余裕をもっているだけだといえよう。

■ しかし、ある種の火災状況においては、現場で燃えているタンクへ立ち向かっている消防士にとって、水をどこかへもっていきたいという思いに駆られることがある。それは原油で満たされたタンクで、特に火災になってから長い時間を経過しているときである。燃焼面は荒れ狂い、脅しているかのような状況のもとで、タンクの底には眠れる巨人がいる。もし間違ったり、判断ミスを犯せば、この巨人を眠りから覚めさせ、消防士が頭の中で理解している危険な状況をはるかに越える結果が待っている。

■ ここで、重要ではっきり言えることは、すべての消防士が実施している消火活動の戦略と戦術について理解しておくことである。しかし、火災中、燃焼面の下、壁の背後あるいは配管類の裏で起こっている動きは、消防士にとって必ずしも明らかではない。

■ 原油火災は特異な獣(けだもの)ようなものである。その獣はいろいろな戦術を繰り出し、ときには予想もしない戦い方をしてくる。ガソリンのような油火災とは別な油種だということを必ず理解しておくことである。原油が燃焼していく中で、ある部分はタンク内においてかなりの熱を下に伝えていく。

■ 燃焼面で生まれた熱は、原油中を“ヒート・ウェーブ”となって安定した速さでゆっくりと下降していく。このヒート・ウェーブがタンク底に溜まっていた水の層に到達すると、水を温め始め、水が水蒸気に変わる沸点まで加熱していく。
原油タンク火災の液面下では、ヒート・ウェーブが底に溜まった水の層へ進行し、水が水蒸気に変わる。この膨張する威力で大きな爆発が起こる。
■ タンク内の水が水蒸気に変われば、体積が1,700倍に膨張し、激しい水蒸気爆発が起こるだろう。例えば、タンク底に500ガロン(1,900リットル)の水の層があれば、原油の下で850,000ガロン(3,210,000リットル)の水蒸気が爆発的に膨張し、タンク直径の6倍までの範囲に噴出物を地上に降り注ぐ可能性がある。

■ 今日の工場施設は、近くに別な構造物が建てられていることが多い。このことは、爆発が隣接しているタンク、LPG横型タンク、配管類、近隣住民などに影響を及ぼすということである。

■ 現在のところ、タンク火災に対して配慮しておくべき対象エリアは、概ねタンク直径の1/2~2倍の範囲である。ボイルオーバーが起こると、対応している消防士、消防車両、泡薬剤、消火水源、待機している救急医療チームなど多くの人たちと資機材が危険に曝されることになる。

■ 重要なことはつぎのとおりである。
 ① 敵を知ること。このため、つぎのことを把握しておく必要がある。
    ● タンク内には、どのくらいの油が入っているか?
    ● どのくらいの時間、燃え続けるか?
    ● 火災の初期対応の活動によって、どのくらいの水がいわゆる“眠れる巨人”にもたらされたか?
   原油タンクの中に大量の水を投入すると、油を乱すことになり、表面火災に大きな影響を与える。
   原油の中で進行している“ヒート・ウェーブ”を認識し、 常に“ヒート・ウェーブ”について監視しておく。

 ② 成功に導く消火戦略をもっていること。
    ● 消火水源、泡薬剤、人員、放射装置、その他の物資は十分か? 
    ● 最も安全で有効な配置を確保したか?
    ● 人員資機材をどのように移動するか? 交替をどのようにするか? 
      必要な場合の避難をどのようにするか?

 ③ 対応を始める初期から正当な方法で進めること。 
    ● 敵である原油はもともと在る水を使うかもしれないし、最終的にその水でボイルオーバーを
      引き起こすということを認識しておく。
    ● 消火戦略を考え、資機材を確保し、目的と方法を明確にした戦術を実施する。
    ● 消火泡の放射は、できる限り早い段階で行わなければならない。
初期の風の条件によっては、他のタンクの引火につながることがある。ボイルオーバーは、タンク半径の4倍以内のエリアにあるものすべてを破壊に至らせることがある。未燃の原油によって、ボイルオーバーが繰り返し起こることがある。火災が長引くと、タンク内にコークスが生成していく。

補 足
■  「ウィリアムズ・ファイア&ハザード・コントロール社」(Williams Fire & Hazard Control)は1980年に設立し、石油・化学工業、輸送業、軍事、自治体などにおける消防関係の資機材を設計・製造・販売する会社で、本部はテキサス州モーリスヴィルにある。ウィリアムズ社は、さらに、石油の陸上基地や海上基地などで起こった火災事故の消防対応の業務も行う会社である。
 ウィリアムズ社は、2010年8月に消防関係の会社であるケムガード社(Chemguard)の傘下に入ったが、2011年9月にセキュリティとファイア・プロテクション分野で世界的に事業展開している「タイコ社」(Tyco)がケムガード社と子会社のウィリアムズ社を買収し、その傘下に入った。
 ウィリアムズ社の名前を世界的に有名にしたのが、2001年米国ルイジアナ州のオリオン製油所において発生した直径82mのガソリンタンクの全面火災に同社が出動し、大容量泡放射砲を使用して65分で消火させた対応である。

■ ウィリアムズ社はウェブサイトを有しており、各種の情報を提供している。この中で「Code Red Archives」というサブサイトを設け、同社の経験した技術的な概要を情報として公開している。今回の資料はそのひとつで 「Boilovers - The Sleeping Giant」というPDF資料とビデオを紹介している。

■ 当ブログで「ボイルオーバー」について言及した主なものは、つぎのとおりである。
  ● 2012年9月、「タンク火災への備え」


所 感
■ 本資料は、ウィリアムズ社の消火活動に対する取組み姿勢や原油タンク火災のボイルオーバーに関する考え方を知る上で参考になる。
 例えば、タンク内部の状況を示す図があるが、ボイルオーバーを引き起こすヒート・ウェーブが風の影響を受けること、堤内火災がボイルオーバーを早める可能性があることを示唆している。ウィリアムズ社はヒート・ウェーブの下降速さについて約2~3フィート/時(60~90cm/h)とみているようであるが、この資料では敢えて言及していない。これは、現場の状況によって異なるということを経験で理解しており、大切なことは、「原油の中で進行している“ヒート・ウェーブ”を認識し、 常に“ヒート・ウェーブ”について監視しておく」ことだという。

■ 興味深いのは、原油タンク内に留まっている水を“眠れる巨人”と表現していることである。そして、米国で徹底している戦略・戦術論から敵を原油と水と位置づけている。日本人はもともと戦略思考をもつことに乏しく、このように水を敵とする発想は生まれにくい。この点は、消火活動で成功した例も失敗した例をもつウィリアムズ社の実体験から来る率直な意見であろうし、消火戦略・消火戦術の基本とは何かを伝えようとする思いを感じる。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Williamsfire.com,  「Boilover - The  Sleeping  Giant」,  CODE RED ARCHIVES, Williams Fire & Hazard Control.Inc


後 記: ウィリアムズ社がボイルオーバーに対してどのように思っているか興味があり、事故事例や技術論文と違った資料ですが、紹介することとしました。文章表現が難しく、日本語にしにくいところがありました。言葉では眠れる巨人(Sleeping Giant)と訳していますが、所感で述べたように「敵」を具体的に意識することができません。 「敵を知ること」という言葉は理解できますが、ボイルオーバーといっても、自然現象のひとつとして考えてしまいます。 「その獣はいろいろな戦術を繰り出し、ときには予想もしない戦い方をしてくる」というウィリアムズ社の人たちは、水を眠れる巨人とはっきりと具象化し、頭の中で形を描いているのでしょうね。


2015年12月11日金曜日

石油貯蔵タンクの落雷リスクと雷保護

 今回は、2013年3月、ベルギーのアントワーヌで開催されたStocExpo(The Storage Terminal Operation’s Conference and Exhibition)の中で行われた講演会「Lightning Risk and Storage Tank Protection」(貯蔵タンクの落雷リスクと雷保護)の情報を紹介します。
目 次
 1.石油貯蔵タンクにおける落雷のリスク       4.タンク落雷時のリスク軽減策
 2.落雷に関するリスク解析の方法               5.アブダビ石油精製会社(TAKREER)における実例
 3.タンク落雷時の現象                               6.まとめ
     
< 1.石油貯蔵タンクにおける落雷のリスク >
■ 世界的規模でみれば、タンク火災は年間15~20件発生している。このうち、落雷によるものが三分の一を占め、原因の分かっている中で最も多い。
タンク火災の原因
■ NASA(アメリカ航空宇宙局)では、世界の雷の発生頻度をまとめた“雷マップ” を公表している。つぎの図がその例である。 
NASAによる世界の雷マップ
(年間の1平方キロメートル当たりの雷光数)
■ 落雷による損害やリスクに関する最近の状況は、つぎのとおりである。
  ● 米国落雷安全研究所(National Lightning Safety Institute)の調査によれば、落雷に関連する損害は、2008年の一年間に50億ドル(6,000億円)を超えるという。
  ● リバプール・ジョン・ムアーズ大学(Liverpool John Moores University)のアサートン氏(Atherton)らの2006年の調査によると、貯蔵施設の操業において根本原因が明確になっている事故のうち61%が落雷によるという。
  ● ロイズ保険研究所(Loyds Insurance Institute)の調査によれば、2009年から2010年にかけて落雷に関連した損害は15%増加したという。

■ 落雷による損害やリスクに関して将来はつぎのようにいわれている。
  ● 英国保険協会(Association of British Insurers)が2007年に発表したところによると、2040~2060年代、英国における天候による自然災害は、現在の2倍になる可能性があるという。
  ● NASAの研究者プライス氏(Price)らが1994年に発表したところによると、世界の表面温度が1℃変化すると、世界の雷活動は5~6%増加することが予想されるという。
  ● ブラジルの国立宇宙研究所(National Institute of Space Research)が2013年に発表したところによると、温度が1℃増加すると、落雷の頻度は10~20%増加するだろうという。

■ 過去における落雷によるタンク火災としては、つぎのような事例がある。
  ● 2012年、中国鶴山市、チャイナ・ペトロケミカルのタンク火災
  ● 2007年、米国オクラホマ州、ワインウッド製油所のタンク火災
  ● 2007年、南アフリカ、エンゲン製油所のタンク火災
  ● 2007年、米国ニュージャージー州、サノコ社イーグル・ポイント製油所のタンク火災
  ● 2003年、豪州、ブリスベン製油所のタンク火災
  ● 2002年、アフリカ・ナイジェリア、エッシュラヴォスタンク基地の火災
  ● 2002年、ポーランド・マウォポルスカ県、トシェビニャ製油所のタンク火災
  ● 2001年、米国ルイジアナ州、オリオン製油所のタンク火災
  ● 1996年、カナダオンタリオ州、サノコ製油所のタンク火災
  ● 1995年、インドネシア・チラチャプ、プルタミナ製油所のタンク火災
  ● 1987年、米国オハイオ州、ニューポートのタンク火災
  ● 1984年、ドイツ・ヘルネ市、ケミッシェ・ヴェルケ・ハルスのタンク火災
  ● 1971年、ポーランド、チェホビツェ・ジェジツェ製油所のタンク火災
米国オクラホマ州、ワインウッド製油所のタンク火災
内部浮き屋根式タンク 20076月、落雷により火災
ワインウッド製油所のタンク火災
3,200KLのガソリンと8,000KLのディーゼル燃料を焼失し、 36時間続いた火災
オクラハマ州グレンプールのタンク火災
外部浮き屋根式タンク、容量20,000KL 20066月、落雷により火災
■ 落雷が原因のタンク火災における損害額の例は、つぎのとおりである。
  ● 2008年、米国カンザス州、マゼラン・パイプライン社のタンク火災: 約1,000万ドル(12億円)
  ●  2007年、米国オクラホマ州、ワインウッド製油所のタンク火災: 操業損失約1,500万ドル(18億円)
(設備被害額は含まない)
  ● 1995年、インドネシア・チラチャプ、プルタミナ製油所のタンク火災: 操業損失約7,300万ドル(87億円)
(設備被害額は不明)

■ タンク火災について考えておかなければならない事項はつぎのとおりである。
  ● タンクのサイズが大きくなるに従い、火災の状況はより厳しく、より危険となる。
  ● タンク火災が一旦起これば、極めて大きな損害が出る。すなわち、物的損害、製品の損失、操業の機会損失、環境汚染、世論からの非難などである。
  ● タンク火災を制圧するには、特別に必要な消火資機材を確保しなければならない。

< 2.落雷に関するリスク解析の方法 >
■ リスク解析の方法のひとつに、IEC 62305 「Protection Against Lightning  Part 2: Risk Management」(雷保護 パート2:リスク・マネジメント)がある。この規格は、極めて詳細に規定されているが、非常に複雑でもある。例えば、構造物の形状、場所、内容、使用材質など多くのデータを入力する必要がある。リスク対コストを定量化することができる。

■ 他のリスク解析の方法としては、NFPA 780 「Standard for Installation of Lightning Protection Systems Annex L: Risk Assessment」(雷保護システムの設置に関する規格 添付書L:リスク・アセスメント)がある。この規格は詳細に記載されているが、やや複雑である。この方法は多くのデータを入力する必要がある。 落雷リスクについて許容リスクと比較することができる。 

■ 落雷リスクの回避方法を定めた推奨基準としては、API RP 545 「Recommended Practice for Lightning Protection of Aboveground Storage Tanks for Flammable or Combustible Liquids」(可燃性・燃焼性液体の地上式貯蔵タンクにおける雷保護の推奨方法)がある。この基準は外部浮き屋根式タンクのすべてに推奨される。ただし、将来的には、落雷の極めて少ない地域のタンクを対象外にしたり、高引火点(揮発性が小さい)の内容物のタンクを対象外にする計画があるという。

< 3.タンク落雷時の現象 >
■ タンクへ落雷して火災に至るようなときの雷の特性はつぎのとおりである。
   〇 ピーク電流、負極性第一雷撃(50%)     30kA
      〇 ピーク電流、負極性第一雷撃(95%)     80kA
   〇 フラッシュ時間、負極性フラッシュ(50%)  13 ミリ秒
   〇 フラッシュ時間、負極性フラッシュ(95%)  1.1 秒
   〇 フラッシュ当たりの電撃数の範囲       1~30
   〇 フラッシュ当たりの平均電撃数         4
   〇 ピーク温度                     >28,000℃

■ タンクへ直撃雷があったときの電流の流れの例を図に示す。また、タンク近くに落雷した場合に電流の流れの例を図に示す。屋根と側板には境界があるが、側板に落雷した場合でも境界を越えて雷電流は流れるし、屋根に落雷したときにも境界を越えて雷電流は流れる。また、タンク近くに落雷した場合にも、屋根と側板の境界を越えて雷電流は流れる。この雷電流がすべての状況下で屋根/側板の境界を越えて流れるというのは、API(米国石油協会)のオフィシャルの考えである。
直撃雷の電流の流れ
タンク近くに落雷した場合の電流の流れ
■ 屋根の位置による相対的なリスクをみると、屋根が高い位置のときは雷電流が集中するため、タンクは最も危険に曝されているといえる。また、屋根が低い位置のときは雷電流が分散するので、タンクのリスクは最も低いといえる。
屋根の位置が高い場合、雷電流が集中しやすい
屋根の位置が低い場合、雷電流は分散しやすい
< 4.タンク落雷時のリスク軽減策 >
■ タンク落雷時のリスクを軽減する方法については、API(米国石油協会)から推奨基準が出されている。
API RP 545は石油貯蔵タンクの雷保護を定めたもので、検討プロジェクトは1999年に始まり、2009年に推奨基準(Recommendation  Practice)として発行された。他の規格であるNFPA 780 「Standard for the Installation of Lightning Protection Systems」(雷保護システムの設置に関する規格)は取り入れられている。 将来、API RP 545は規格(Standard)にされる予定である。

■ 浮き屋根式タンクにおいて、屋根と側板の間の雷電流を流すための接続方法はつぎの2つがある。
  ● シャンツ(Shunt)方式: 屋根に取付け、側板と接触させるショート・コンダクター
  ● バイパス・コンダクター(Bypass conductor)方式: 屋根と側板の間を、直接、ケーブルで接続
 米国の浮き屋根式タンクでは、シャンツを設けているものが多い。しかし、このシャンツには、屋根から上の空中部分においてアーク発生の問題があることが分かった。APIによる実証テストの結果、シャンツの清浄度、新旧度、保全度にかかわらず、すべての条件でアークが飛ぶことが証明されている。
シャンツおよびバイパス・コンダクターの例
(左:シャンツ 右:バイパス・コンダクター)
シャンツ方式による接続方法の問題 
■ API RP 545では、3つの主要な推奨事項を提起している。
  ① 屋根周囲の3m毎に浸漬式のシャンツを設ける。
     〇 既設タンクでは、液面下にシャンツを再配置する。
     〇 シャンツは液面から30cm以上深い位置にする。
  ② タンクのシール部およびゲージ・ポール部は電気絶縁を施し、雷電流がシャンツやバイパス・コンダクターを通じて流れやすくする。
     〇 絶縁レベルは1kV以上とする。
  ③ タンク円周まわりには、少なくとも30m毎にバイパス・コンダクターを設ける。
     〇 バイパス・コンダクターはできる限り短くすべきである。
浸漬式シャンツ  
カニカルシールにおける電気絶縁の例
バイパス・コンダクターの間隔 
■ 新設タンクでは、標準設計のひとつとして浸漬式のシャンツを位置づけている。既設タンクでは、タンク開放検査時に改造する。また、新設タンクでは、標準設計としてシール部およびゲージ・ポール部の電気絶縁を行うものとし、既設タンクでは、タンク開放検査時に改造する。

■ バイパス・コンダクターは、比較的安価で取付けも簡単なので、新設および既設にかかわらず設けることができる。従来のバイパス・コンダクターは通常のケーブルやワイヤーを使用したものである。一方、ばね式リールを用いた格納式コンダクター(Retractable Bypass Conductors)は、導線の長さを最短にすることができるバイパス・コンダクターの型式である。なお、バイパス・コンダクターは、タンク円周の長さが30m未満でも、少なくとも2個設ける。
バイパス・コンダクター
(左:従来型 右:格納式)
< 5.アブダビ石油精製会社(TAKREER)における実例 >
■ アブダビ石油精製会社(Abu Dhabi Oil Refining Company: TAKREER)は、UEA(アラブ首長国連邦)のアブダビ国営石油会社(Abu Dhabi National Oil Company: ADNOC)の子会社で、石油精製部門を担うために1999年に独立した。国内に、ルワイス製油所(1982年操業、処理能力 12万バレル/日)とアブダビ製油所 (1976年操業、処理能力 8.5万バレル/日)の2つの製油所を保有している。ルワイス製油所には、陸上ガス田からのコンデンセート・スプリッター装置14万バレル/日×2系列を有している。

■ ルワイス製油所は 91基の貯蔵タンクを保有している。さらに、製油所では、精製設備の増強計画がある。120基のタンクが増える予定だという。アブダビ石油精製は、環境・健康・安全を重視する方針を出している。一方、大小にかかわらず火災事故が起こって、一部の装置でも停止することは許容できない状況だという。また、この地域では雷の活動が活発になっているという。

■ アブダビ石油精製は安全に関する公約を掲げ、安全第一の認識共有化を進めるとともに、防火設備と安全システムへの投資を増やし、火災予防対策を積極的に推進するという。特に、雷については火災の主要な原因のひとつとして認識されている。

格納式バイパス・コンダクター(LEC社のRGA型)
■ 検討に際して、アブダビ石油精製は、雷保護の種類、主要な国内会社や国際的な会社との相互交流、雷保護関連のLEC社(Lightning Eliminators & Consultants, Inc.)やコンシリアム社(Consilium, Inc.)との打ち合わせ、API RP 545の推奨基準などについて調査を行った。その結果、すべての浮き屋根式タンクに格納式バイパス・コンダクター(LEC社のRGA型)を設置すると決めた。

■ 雷保護の実施は、第一段階として84基の浮き屋根式タンクが対象とされた。工事はタンクの操業を停止することなく、運転中に行うこととされた。機器の取付けを操業中のタンクで行うため、アブダビ石油精製の立会のもとで厳しい安全基準に従うこととされた。 LEC社は運転中の取付け方法を提案し、文書化し、内容の調整が行われた。

■ 運転中の浮き屋根式タンクで作業が行われるので、作業開始前に、すべての基準と現場の安全対策を遵守することが確認された。例えば、個人保護装置、作業許可証、安全作業基準などである。

■ RGA型格納式バイパス・コンダクターを設置するためには、取付け用の孔を必要とする。
   ● タンク側板上部のリム・アングル部にRGAの取付け孔を2個設ける。
   ● タンク屋根のフォーム・ダム部にRGAケーブル用の取付け孔を2個設ける。
 この際、通常の工具類を使用すると、可燃性ベーパーに引火するような火花を発生させる恐れがある。安全対策として、火花発生の可能性を無くすため、手動式の孔開け用パンチ・ツールを使用する。

■ 具体的な孔の位置はつぎのとおりである。(図を参照)
   ● A部:リム・アングル部の壁頂部に2個の孔
   ● B部:フォーム・ダムの屋根部に2個の孔
手動式の孔開け用パンチ・ツールの例
■ 手動式の孔開け用パンチ・ツール、例えば“ハンド・パンチ”を使用すれば、火花の発生を防ぐことができる。 
  ● 格納式バイパス・コンダクターのRGAを取付けるために必要な孔径は7/16インチ(11mm)である。
  ●  7/16インチ用のパンチとダイスをセットした“ハンド・パンチ”では、厚さ1/2インチ(12mm)までの軟鋼板に孔を開けることができる。
  ●  “ハンド・パンチ”は取扱いが簡単で、ひとつの孔を開けるのに5分もかからない。
  ●  “ハンド・パンチ”によってくり抜かれた金属片は触ると温かいが、素手で取扱える温度である。

■ RGAを取付ける前に、電気経路となる表面についてつぎのような処置を行わなければならない。
  ● タンクとRGAの接合面は塗料とゴミをきれいに取り除くこと。RGAのブラケット(腕木)とケーブルはタンクの側板と屋根の金属素面に接触させておかなければならない。
  ● 金属素面は腐食抑制剤を塗布する。
 この際、金属面をきれいにするため電動工具類を使用すると、火花が発生してしまう。このため、安全対策として使用するのは手工具のみとする。また、腐食抑制剤は標準的なエアロゾル式塗布器でよいが、薬剤メーカーの取扱説明書に従って実施する。

RGAの部品の
写真はLightningprotection.comから引用)
■ RGAブラケットの固定時の留意事項はつぎのとおりである。
  ● 側板のリム・アングルに設けた孔にRGAブラケットを取付ける際、RGAの水平度を調整する。
  ● 付属している金具とともにブラケットを固定する。
  ● 金具およびブラケット/タンクの接合面は腐食抑制剤を塗布する。
 この際、ブラケットや手工具を落としてしまう恐れがあるので、取扱いに注意するほか、必要ならば工具落下防止ロープを使用する。

■ RGAユニットを取付ける際の留意事項はつぎのとおりである。
  ● RGAユニットを持ち上げ、ブラケットに収める。
  ● 付属している金具を用いてRGAのシャフトのロックバーを固定する。
 この際、RGAユニットや手工具を落としてしまう恐れがあるので、取扱いに注意するほか、必要ならば工具落下防止ロープを使用する。

■ RGAユニットの内部ばねモータのプレテンションの調整は、つぎのように行う。
  ● ケーブルの延びる方向にRGAを手で回す。ケーブルを引っ張って延ばさないこと。プリテンションに必要な回す数を決めるには、取扱い説明書を参照すること。
  ● ケーブルをタンク屋根まで延ばす。
 この際、ばねモータを勝手な方法で巻き戻したりすると、BGAユニットの故障原因になる可能性がある。ケーブルをタンク屋根に固定するまで、注意しながらRGAの回転を手で調整していく。RGAユニットはブラケットから外さないこと。

■ RGAユニットの設置工事は2か月で完了した。取付け後に行う確認テストはつぎのとおりである。
  ● 機械的な回転状況と動き
  ● 屋根の位置が最上端と最下端での点検
  ● タンク壁とRGAブラケット間の抵抗値の測定
  ● フォーム・ダムとアース線までの抵抗値の測定
  ● 結果の妥当性検証
格納式バイパス・コンダクターRGAの設置俯瞰図の例
(図はLightningprotection.comから引用)
■ RGA設置後、アブダビ石油精製は、既設設備および新設設備においてRGAの導入を標準化した。例えば、 RGAが導入されるのはつぎのとおりである。
  ● ルワイス製油所における未設置分の既設タンク
  ● ルワイス製油所増強計画における地上式浮き屋根タンク38基
  ● インター・リファイナリーズ・パイプライン・プロジェクト(Inter Refineries Pipelines Project: IRP Project)のムサファ・ターミナル(Mussaffah Terminal)の地上式浮き屋根タンク(設置済)
  ● IRPプロジェクトにおけるその他のターミナル(設置中)

< 6.まとめ >
 ① タンク火災は稀でなく、タンク火災の原因の三分の一が落雷によるものである。
 ② 従来の屋根-側板シャンツ+バイパス・コンダクター方式は、高いインピーダンス接続になっている。
 ③ API RP 545はバイパス・コンダクター方式を推奨している。
 ④ 格納式バイパス・コンダクターは、屋根と側板の間を低いインピーダンス結合の機能を提供する。
 ⑤ 格納式バイパス・コンダクターは、運転中のタンクにおいて安全に設置することができる。

補 足
■  貯蔵タンクの避雷設備や雷保護などについて当ブログで紹介してきたが、主なものはつぎのとおりである。
   ● 2012年 6月、「NASAによる世界の雷マップ」
 貯蔵タンクの雷保護には言及していないが、最近の日本における落雷傾向や雷対策についてわかりやすく解説した資料としては「雷保護対策の技術動向について」( エンジニアリング協会 第113回 ビジネス講演会資料、2015年5月、㈱サンコーシャ)がある。

■ 「UAE」は通称で、正式には「アラブ首長国連邦」 (United Arab Emirates)である。アラビア半島のペルシア湾に面した地域に位置する7つの首長国からなる連邦国家である。人口は約920万人で、首都はアブダビである。「NASAによる世界の雷マップ」によると、UAEの雷発生は日本と同程度とみられる。
 なお、UAEに関して当ブログで紹介した情報につぎのようなものがあり、貯蔵タンクの知識や技術について関心が高いと思われる。
                        UAEの位置(マーク部)    (図はグーグルマップから引用)
                           NASAの雷マップ(部分)     (図はNASAの雷マップから引用)
所 感
■ 今回の資料は、貯蔵タンクの雷保護(避雷設備)についてわかりやすくまとめられている。落雷によるタンク火災の事故例から落雷のリスクまで幅広い視点で述べたあと、実際の雷保護の方法について実例をもとに解説している。特に、格納式バイパス・コンダクター(格納式接地装置)の取付け方法を細かく紹介しているので、これまで写真など一部の情報しか知らなかった人にも、よく理解できるようになっている。

■ これまで日本では、地上式貯蔵タンクの落雷による火災事故がなく、消防法でも貯蔵タンクの雷保護に関する規定はほとんど無いと言ってよい。しかし、近年、日本でも雷活動が活発になっており、落雷の頻度も増えている。日本では、タンクの全面火災は起こらないと言っていた安全神話が崩れたように、落雷によるタンク火災は起こらないと断言することはできない。落雷によるタンク火災が起これば、この資料は参考にされようが、問題が起こる前に危険予知として読んでもらいたい資料である。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Easyfairs.com ,  Lightning Risk and Storage Tank Protection,  STOCEXPO,  March 20, 2013
                                         Joseph A. Lanzoni ,   V.P. of Operations,   Lightning Eliminators & Cons.
                                         Manoj K. Nambier,   General Manager, Consilium Middle East 
 つぎのインターネット情報は参考にした。
  ・Lightningprotection.com, RETRACTABLE GROUNDING ASSEMBLY (RGA™) RISK MANAGEMENT FOR FLOATING ROOF STORAGE TANKS, 2013, Lightning Eliminators & Consultants, Inc.



後 記: 今回の資料は、貯蔵タンクターミナルに関する見本市のStocExpoで行われた講演会のため、パワーポイントによって作成されたもので、原文は要点の言葉を列記したものです。これを敢えて文章化しました。写真や絵が多いので、説明文の方がよいと思ったからです。
 講演者は格納式バイパス・コンダクターを製造しているLEC社と雷保護コンサルティング会社のコンシリアム社の方ですが、単に雷保護の製品を紹介するのではなく、広い取り上げ方に感心しました。格納式バイパス・コンダクターを多く販売する意図から、運転中の設置が容易だということを細かく説明されています。意図がわかっていても、従来の講演会や文献にない内容なので、逆に新鮮に感じました。
 この格納式バイパス・コンダクターを全面的に設置しようとしているのが、UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)です。 ADNOCは今やスーパーメジャーと言われており、20世紀における従来のスーパーメジャーから代替わりしつつあるという気がしますね。