2016年9月28日水曜日

米国テキサス州のアスファルト・プラントのタンク地区で爆発、死者1名

 今回は、2016年9月14日(水)、米国テキサス州ニュエセス郡コーパス・クリスティにあるハス-アンダーソン建設のアスファルト・プラントのタンク地区で爆発があり、死者1名を出した火災事故を紹介します。
(写真はCaller.com から引用)
< 発災施設の概要 >
■ 事故があったのは、米国テキサス州(Texas)ニュエセス郡(Nueces)コーパス・クリスティ(Corpus Christi)にあるハス-アンダーソン建設(Hass-Anderson Construction, Ltd)のアスファルト・プラントである。

■ ハス-アンダーソン建設は、1991年に設立され、テキサス州コーパス・クリスティを本拠地にした土木・建設会社である。発災があったのは、コーパス・クリスティ国際空港の近くでホプキンス通り6500区にある建設資材用のアスファルト・プラントである。
       コーパス・クリスティの国際空港付近   (写真はGoogle Mapから引用)
コーパス・クリスティのハス-アンダーソン建設アスファルト・プラント (写真はGoogle Mapから引用)
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2016年9月14日(水)午前4時頃、アスファルト・プラントのタンク地区で爆発があり、火災となった。爆発したのは、軽油(ディーゼル燃料)用タンクで、アスファルトを生産するために使用されていた。タンクの一部が噴き飛び、元の場所から約50ヤード(45m)離れた場所に落下した。

■ 発災に伴い、コーパス・クリスティ消防署が現場へ出動した。爆発現場で53歳の男性が死亡しているのを発見した。この男性は発災時にタンクの近くにいたとみられ、爆発によって遠くへ吹き飛ばされた。このほかに火災に直接関係はないが、怪我をした男性が病院へ搬送された。ひざを負傷したものとみられる。

■ 発災時、プラントには6名の従業員がいた。彼らは職場で行うべき仕事の準備をしていたというが、詳細は分かっていない。

■ 火災はタンク地区に限定されており、消防隊は約1時間の消火活動によって火災を消した。

■ 火はプラントで使用していた油が燃えたとみられるが、消防署は爆発の原因を調べている。

被 害
■ 発災に伴って2名の死傷者が出た。爆発によって男性1名が死亡し、男性1名が負傷した。
 
■ 軽油(ディーゼル燃料)用タンク1基が爆発によって損壊した。そのほかの設備にも被害が出たとみられるが、被災範囲と程度は不詳である。

< 事故の原因 >
■ 原因は調査中である。

< 対 応 >
■ 発災に伴い、コーパス・クリスティ消防署の消防隊がハズマット・チーム(HazMat)とともに現場へ出動し、対応した。  

■ 米国安全衛生労働局(OSHA)コーパス・クリスティ支所が、死亡事故の原因を究明するため、調査を開始した。

■ ハス-アンダーソン建設は、死亡事故に対して“痛ましい喪失”だというコメントを出した。当該アスファルト・プラントは、損害がはっきりするまで、操業を停止する予定だという。
噴き飛んだとみられる貯蔵タンク  (写真はCaller.comから引用)
          調査する関係機関  (写真は左;Caller.com、右;Texas-wronrfull-death-lawer.net から引用)
補 足
■ 「テキサス州」は米国南部にあり、メキシコと国境を接している州で、人口は約2,700万人である。
 「ニュエセス郡」(Nueces)は、テキサス州南部に位置し、人口約34万人の州である。
 「コーパス・クリスティ」(Corpus Christi)は、ニュエセス郡南部のメキシコ湾の一部であるコーパス・クリスティ湾に面した港湾都市で、人口約28万人のニュエセス郡都である。
       テキサス州コーパス・クリスティ(Corpus Christi)の位置   (写真はGoogle Mapから引用)
■ ハス-アンダーソン建設はコーパス・クリスティにアスファルト・プラントを保有しているが、爆発した石油タンクの仕様(大きさなど)は分かっていない。グーグルマップによると、同プラントには2基の小型円筒タンクがあり、1基は直径約3.3m、もう1基は直径3.9mである。従って、小さい方は30KL級、大きい方は50KL級のタンクと推定される。どちらが発災したか分からない。
 爆発したタンクは約45m噴き飛んでいるが、グーグルマップで調べると、落下位置はプラント内に留まり、構外の公道に達していないと思われる。
            ハス-アンダーソン建設のアスファルト・プラント   (写真はGoogle Mapから引用)
               タンクから約45m離れた場所(黄線)   (写真はGoogle Map から引用)
所 感
■ 今回の事故は、軽油(ディーゼル燃料)という爆発を起こしにくいといわれる油種で発生しており、要因を推測するような情報もなく、米国安全衛生労働局(OSHA)の原因調査を待つしかない。

■ しかし、これまでにディーゼル燃料タンクの爆発事故は皆無でなく、つぎのような事例がある。
     貯蔵タンクが爆発して噴き飛んだ状況は今回の事故と似ている。
     この事例は給油スタンドのディーゼル燃料用地下タンクが落雷によって爆発したものである。
 
■ 建設資材用アスファルト・プラントの石油タンク火災としては、つぎのような事例がある。
     この事例では、アスファルト品の製造に使用されるポリマーを含んだ液体石油製品タンク
     から発災したものである。
 
■ さらに、延焼によって火災になったディーゼル燃料タンクがボイルオーバーを発生した事例もある。
 軽油(ディーゼル燃料)が安全という予断はもつべきでないといえよう。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである 。
    ・Bigstory.ac.org,  1 Dead, 1 Hurt in Asphalt Plant Explosion in South Texas,  September 14,  2016 
  ・Firehouse.com,  Explosion at TX Asphalt Plant Leaves One Dead,  September 14,  2016
  ・Caller.com, OSHA to Investigate Explosion at Asphalt Plant,  September 14,  2016  
  ・Texas-wrongfull-death-lawer.net,  Jose de la Torre Dies in Corpus Christi, TX Asphalt Plant Accident,  September 15,  2016
    ・88p4.com,  US Texas Asphalt Plant Caused by a Dead One Injured in The Accident Is still under Investigation,  September 15,  2016



後 記: 今回の事故情報は多くのメディアから出されていましたが、大半が米国大手通信社のAP通信の一報を引用したものでした。発災写真はなく、情報が少ない中でまとめるしかないなと思いつつ、調べ(検索)を続けていくと、別な情報が出てきましたし、画像を掲載したものもありました。粘り強く調べていくことですね。ただし、情報が出てきたからといって事故状況や原因が分かるというものでなく、さらに分からないことが出てきます。テキサス州は石油施設が多く、落雷によるタンク火災も多いところですので、言い方はきついですが、死者が出るような事故があっても、感性が鈍いように思いますね。そのような中で、中国の通信社がこの事故を伝えているのが印象的です。

2016年9月17日土曜日

中国黒竜江省の燃料油貯蔵所で火災、1名負傷

 今回は、2016年8月21日(日)、中国東北部の黒竜江省佳木斯市外にある燃料油を貯蔵する佳木斯卓利燃料倉庫においてタンクローリーから荷卸しをしているとき、貯蔵タンクに引火して火災が起こった事例について紹介します。
 写真News.my399.comから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 事故があったのは、中国東北部の黒竜江省(ヘイロンチャン/こくりゅうこう省)佳木斯市(チアムゥース/ジャムス市)の郊外にある燃料油を貯蔵する佳木斯卓利燃料倉庫佳木斯卓利燃料仓储有限公司:Jiamusi Zhuoli Fuel Storage Co.)の施設である。

■ 発災のあった貯蔵タンクの内液はアルコールとみられる。
            黒竜江省佳木斯市郊外(敖其镇)付近  (写真はグーグルマップから引用)
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2016年8月21日(日)午前8時頃、貯蔵施設においてタンクローリーから荷卸しをしているとき、貯蔵タンクに引火して火災が起こった。

■ 火炎が数十メートルの高さに上がり、黒煙が渦巻くように立ち昇った。黒煙は10km先からも見えた。

■ 火災は爆発を伴うように起こり、1名の負傷者が出た。負傷者は病院に搬送された。

■ 現場近くの道路は交通規制が行われた。21日(日)午前11時頃、火災は制圧下に入った。

被 害
■ 燃料油貯蔵施設の貯蔵タンクおよびタンクローリーが損傷したものとみられる。被災の範囲や程度は不詳である。

■ 発災によってひとりが負傷して病院へ搬送された。施設の関係者またはタンクローリーの運転手と思われるが、負傷の程度を含めて不詳である。

< 事故の原因 >
■ 原因調査中である。

< 対 応 >
■ 発災に伴い、地元政府は消防、警察を出動させるとともに、安全監督部の担当官を現場に派遣した。現場に出動した人員は120名であった。
発災直後に報じられた発災写真   
(写真は左:Baike.baidu.com、右;Fensifuwu.comから引用)
発災から10日ほど後に報じられた発災写真
(写真はNews.siliconeoil.cnから引用)
補 足
■ 「黒竜江省」 (ヘイロンチャン/こくりゅうこう省)は、中国(中華人民共和国)東北部にある行政区で、ロシアと国境を接し、人口約3,800万人で、省都はハルピン市である。
 佳木斯市(チアムゥース/ジャムス市)は黒竜江省の東部に位置する地級市で、人口約82万人である。中国で最も早く日が昇る所として知られ、「東方第一城」の称がある。
             黒竜江省と佳木斯市の位置 (図はPlaza.rakuten.co.jpから引用)
■ 「佳木斯卓利燃料倉庫」佳木斯卓利燃料仓储有限公司:Jiamusi Zhuoli Fuel Storage Co.)は、2009年に黒竜江省佳木斯市の郊外の敖其镇(Aoqizhen)で設立された石油貯蔵・販売会社である。黒竜江省においてガソリン、ディーゼル燃料のほか、ストーブ用燃料を販売している。中国のストーブ用燃料にはアルコールが含まれており、このため、施設はアルコールを取り扱っている。(主にメタノールとみられる)
 佳木斯市敖其镇の燃料油貯蔵施設に関してタンク基数や容量などの情報はない。グーグルマップでも該当するような場所が見当たらず、分からなかった。  
 佳木斯卓利燃料倉庫の所有施設例 (写真はJmszhuoli.com から引用)
所 感
■ 事故がタンクローリーから荷卸しをしているときに起こったとみられるので、原因はタンクローリーの接地不良やタンクへの過剰流速による静電気発生の問題などが考えられる。タンクローリー入出荷作業時の爆発・火災事故は、時代を問わず、国を問わず事例がある。例えば、つぎのような資料を参照。

備 考
    本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
    ・Qna.org.qa,  One Injured in Oil Tank Fire in China Sunday,  August 21,  2016 
  ・Business-standard.com,  1 Injured as Oil Tanker Catches Fire in China,  August 21,  2016
  ・ShanghaiDaily.com, Oil Tank Fire in NE China Put Out,  August 21,  2016  
  ・Kalarm.com,  Jiamusi Zhuoli Fuel Storage Company in a Fuel Truck Unloading When Fire Caused 1 Injuries,  August 21,  2016
    ・Baike.baidu.com, 8·21佳木斯储油罐火灾事故,  August 21,  2016
  ・Fensifuwa.com,  火致1伤,  August 21,  2016
    ・119exam.com,  黑龙江佳木斯一储油罐起火 一人受伤,  August 22,  2016
    ・Hlj.com.cn,  黑龙江省佳木斯市一油罐发生火灾,  August 22,  2016
    ・Yyztkw.com, 事故原因 黑龙江佳木斯储油罐发生火灾 1人受伤,  August 24,  2016


後 記: 今回の事例を調べ始めたときには、もう少し情報が集まるかと思っていましたが、あにはからんやまったくダメでした。事故を報じるメディアはたくさんあるのですが、内容は当局から出された画一的なもので、事故状況は深まりません。中国語による情報も同じようなものです。
 中国の南の方は、随分情報が公開されてきたと感じていますが、東北部の黒竜江省ではかなり報道管制されているようです。文字情報はもちろん、画像も規制を受けているようで、写真がカットされているのがわかります。事故直後は何を撮しているのかはっきりしないぼやけた写真のみでした。10日ほど経って月が代わると、事故現場の消火活動の写真などを掲載するところが出てきました。明らかに別な事故の写真もあり、真偽に悩みましたが、土砂の状況から発災現場だろうと判断しました。しかし、消防車による隣接タンクの冷却作業状況が主で、肝心の発災箇所は遠く、はっきりしません。消防車両上から撮ったとみられる写真もありますので、おそらく公設消防から提供されたものでしょう。
 というわけで、もやもやとしたものを感じながらまとめざるを得ませんでした。(話がやや飛びますが、東京の豊洲市場謎の地下空間における都の対応を見ていると、中国の報道管制を非難できないように思いますね)

2016年9月13日火曜日

原油貯蔵タンク火災時のボイルオーバー現象

 今回は、 ポーランドの消防大学校のヴォイチェフ・ヤロシュ氏(Wojciech Jarosz)が2011年にまとめた 「原油貯蔵タンク火災時のボイルオーバーおよびスロップオーバー現象」( Boilover and slopover phenomena during a fire of storage tanks containing crude oil)の資料を紹介します。
                 タンク火災の例  (写真はLocalwiki.orgから引用)
< はじめに >
■ ボイルオーバーやスロップオーバーについて調べることは、消防隊の観点から極めて重要なことである。ひとつは知的探究心からの興味であり、もうひとつは火災の消火活動時における実際面の関心事である。過去、多くの製油所や石油化学プラントで石油タンク火災が起きている。「タンク火災」(Tank Fire)という論文は19512003年に起きた480件のタンク火災について調査されたものである。タンク火災はいろいろな油種で起こっている。この中で、ボイルオーバーやスロップオーバーの事例が何件か観察されている。例えば、ポーランドのチェホビツェ-ジェジツェ製油所(Czechowice-Dziedzice)の原油タンク火災、ウェールズのミルフォードヘーブン(Milford Haven)のタンク火災などである。
 これらの事故では、人が亡くなったり、環境汚染や物的損害を生じる結果に至っている。原油の物性は、火災になったときに、特に大きな危険性を現すことになる。最も怖いのは、ヒート・ウェーブの形成によってボイルオーバーやスロップオーバーの起こる可能性があることである。これらは原油タンク火災の特徴的な現象であり、消防士、設備、住民にとって大きな脅威である。

< ボイルオーバーおよびスロップオーバーの現象 >
■ スロップオーバーは、乳化して不溶解性で低沸点の物質を含む高い粘度をもつ液体によって起こる。通常、それは原油中に含まれる水である。原油中の水の含有率は、生成起源によって異なるが、0.3~4.5%の範囲である。貯蔵されている間やタンク火災の初期段階では、水は液体中に均一に分散されている。
 燃焼過程の間に、油の表層では燃焼面の火炎による熱のために粘性が減少していく。水は液中の深いところへ沈降していき、液の粘性が比較的高いところの深さの位置で止まる。それと同時に、水分は加熱され、ある温度に達すると蒸発し始める。生成した蒸気は泡立っている液中でエマルジョンを形成する。このため、液体は体積が増加して、タンク液面を上昇させ、状況によってはタンク上部縁から溢れ出す。

■ 原油やマゾウト(Mazout、注;ディーゼル機関燃料)は比較的粘性の高い油である。文献によると、ボイルオーバーの起こらない粘性の下限界があるといわれている。文献では、この限界は0.3%とある。1994年のオスーコー氏(Osuchow)の調査によれば、水の含有率が20%を越えると、油-水のエマルジョンは燃焼しないという。  

■ タンク火災においてヒート・ウェーブが形成されると、ボイルオーバー現象の起こる頻度は高くなる。ボイルオーバーには、タンク底部に水の層が必要である。油の熱い層が水に接触すると、過熱された水が激しい蒸発を起こして、最終的に燃焼している油を噴出させることになる。
           図1 ボイルオーバーの状況   (ワルシャワ工科大学による実験)
■ ボイルオーバーは、上部が開放しているタンクにおいて、ある油種の燃焼中に起こる現象である。長い時間、定常状態で燃焼しているときに、突然、火災の勢いが大きくなり、タンクから燃えている油が噴き出す現象である。ボイルオーバーは、表層の燃焼残渣分が未燃の油より重くなり、熱い層となって下方に沈降していくことによって起こる。このときの沈降速度は液面が下がっていくよりも速い。この“ヒート・ウェーブ”と呼ばれる熱い層がタンク底部の水または水と油のエマルジョンの層に達すると、水は最初に過熱され、それからほとんど爆発的に沸騰し、タンクから溢れ出る。
 ボイルオーバーを起こしうる油は広範囲の沸点の成分をもち、さらに軽質分と粘性の高い残渣分を含んでいる。これらの特徴はほとんどの原油が有しているほか、合成混合物で生み出すこともできる。そして、つぎのような3つの条件が同時に存在すれば、ボイルオーバーが起こる。
 ● 開放系のタンク火災であること
 ● タンク底部に水の層があること
 ● 燃えている油の中で過熱されたヒート・ウェーブが形成されること

■ 水が油の燃焼面に存在し、熱い油の中に沈もうとするときに、スロップオーバーが起こることがある。水が蒸発する際、燃えている油をあふれさせることになる。

< 過熱モデル >
■ 図2は、火炎からの輻射熱、壁を通しての伝導熱、貯蔵液中の対流熱によって熱が液へ移動していく状態を示す。最初、液が蒸発していく量は極めてゆっくりである。タンクの上部では空気との混合気が形成されていき、熱い燃焼ガスが上昇していく。これは内部の圧が下がり、周囲の空気がタンク内に流入していき、開放タンクの上端より下にある燃料ベーパーと空気が混合されていく。燃焼していくと、タンク内の液のレベルは徐々に低下していく。
図2 火炎から液体への熱移動の区分図
■ 液に熱が送り込まれることによって液層での蒸発が促進されるとともに、タンク内に保有されている液の温度が上昇することになる。液が燃料油の場合、過熱した層が形成され、燃焼中にはこの層以外にない。図3aを見ると分かるように、燃焼初期段階では過熱層の厚さは極めて薄い。この層は、燃焼している時間にかかわりなく、常にある厚みを保持する。液に伝えられる熱のすべては、燃料油を蒸発させることに使われる。
図3 燃料液中における温度分布
a) ヒート・ゾーン無し   b) ヒート・ゾーンあり
■ 可燃性液体では、表面より下部において2番目のヒート・ゾーンが形成する(図3b)。このヒート・ゾーン(b)から火災の影響の及ばない油の層(d)への移行は、比較的薄い遷移域(c)において起こる。このヒート・ゾーンの厚さは燃焼中に確実に増えていく。そして、火災が長時間に及ぶと、保有されている液体のすべてがヒート・ゾーンになるかもしれない。

■ 遷移速度は、燃料油の種類によって変わり、実験によって求められる。ヒート・ゾーンの無い燃料油で生じるようなシンプルなヒート・バランスについてここでは対象としない。

■ 原油のタンク火災時の燃焼では、関連する変数がたくさんある。すなわち、成分、密度、粘度、水分と塩分濃度、硫黄分である。すべての変数の混合割合によって、火災の時間、火炎の高さ、火炎からの輻射熱、火災時に現れる2次的現象(例えば、ボイルオーバー)が決まってくる。

■ 原油火災では、油面の温度は沸騰温度になっている。原油の油面より下では、深い部分の加熱のされ方に変化が起こる。油面より下では熱の効果と蒸留性の結果、2つの層が形成する。油面直下の上の層とその下の層である。火災の間、上の層の温度は原油の沸騰温度を上回っていくとともに、層の厚みは火災の間に次第に増していく。一方、底部の温度は初期のままであり、層の境界から底部への温度分布は初期の温度まで急激に下がる形になる。火災への対応を行っているとき、安全性を考える上で重要なことは、上の層が過熱した層の状態になっていくことである。このような燃焼の特性によって、原油内にかなり強い対流が引き起こされる。特に直径の大きい(>50m)タンクに保有されている油の場合に顕著である。火災の状況下では、対流による熱の流れがタンク壁を加熱するのに大いに寄与する。火炎に当たっている原油タンクの鋼製の壁温度は、油と接触している壁部の温度よりはるかに高くなっている。

■ このことによって液の中で対流が生じ、内部の油は過熱状態になる。原油は常に何がしかの塩分と水分、すなわち塩水を含んでいる。塩水(主として水)が100℃を超える温度になると、蒸発する状態になり、体積は1,700倍になる。この結果、水蒸気の泡が浮き上がってきて油を覆い、新たな乱れが生じ、内部の油を過熱させる速度が速まる。過熱の温度や過熱する速度は原油の種類と水分量に依存する。火災中に油タンクの中で過熱した層が広がっていく様子を図4に示す。
図4 重質の石油を保有したタンクの火災時に過熱した層(ヒート・ウェーブ)が広がっていく状況
 < ボイルオーバーおよびスロップオーバー >
■ 表1は、タンク直径>50mで風速1m/sの条件において、全面火災中の原油の温度と過熱速度を示す。表2は、タンク直径50mで(風速10m/s)、全面火災中の原油の温度と過熱速度を示す。表に示されるデータでは、原油は深い位置でも過熱しうることを示すとともに、火災時間が続くほど過熱された層の厚さは増すことを示している。この過熱された層は、広がっていくと同時に、いよいよタンクの底部の方へ進んでいく。この油の特性は、火災の消防活動時においてボイルオーバーやスロップオーバー現象を生じ、人や資産に深刻な危険に陥らせることになる。
表1 全面火災中の原油の温度および過熱速度
(タンク直径>50m、風速1m/s)
表2 全面火災中の原油の温度および過熱速度
(タンク直径50m、風速10m/s)
■ 燃焼過程で原油の粘性が下がれば、油に囲まれたベーパーが油をつかんだままタンクから噴出しやすくなる。この最初の噴出後、いっそう高温に加熱された油の層が再び水と接触し、さらに強力な爆発(ボイルオーバー)を起こすことになる。一般的に、ボイルオーバーは数分間続き、多くのスプラッシュ(はね散らし)を伴うことが特徴である。ボイルオーバーの大きさは油の量に依存するとともに、過熱した油と接触する水の層の表面積の大きさに依存する。ボイルオーバーの生じている間、タンク内に保有されていた最初の油量の25~65%が放出されると推測することができる。ボイルオーバー時の高さは数メートルとみられ、燃えている油による被災地域は300mを超えるとみられる。例えば、ポーランドのチェホビツェ-ジェジツェ製油所の原油タンク火災(1971年)では、油は90~250mの範囲で放出された。タンクから放出され、軽質分を除いて油の燃焼は完全ではなかった。軽質分は蒸発して燃えたほか、道路、屋根、設備、施設に落下し、燃え続けた。

■ 直径が50mを超えるような大型タンクでは、ボイルオーバーは小型タンクよりも早く起こる。水の層の厚さがボイルオーバーの規模に決定的な影響を与えるものではない。最も重要なのは水の層と過熱された層の接触面の大きさである。1962年にブラッドリー氏が報告しているように、小さいエリアで15kgの水の層が突然相変化を起こすと、空気中に25,500リットルの水蒸気を形成し、衝撃波が生じる。このときのエネルギーはTNT火薬5kgの爆発時に生じる衝撃波に相当する。もちろん、このような比較は、ボイルオーバー時に形成する大量の油放出をもとに非常に簡略的に表したものである。しかし、ボイルオーバーによって発生する爆発の圧力には、かなり大きな破壊力があることは確かである。

補 足
■ ポーランドの「消防大学校」(Szkoła Główna Służby Pożarniczej:SGSP)は、ポーランドの首都ワルシャワにある消防・救援分野を主にした単科大学である。日本の消防大学校と異なり、高校卒業後に入学する制度で、将来の消防幹部職員になることを目指す若者を受け入れる大学である。

■ ポーランドのチェホビツェ-ジェジツェ製油所の原油タンク火災(1971年)は、当ブログの「原油タンク火災の消火活動中にボイルオーバー発生事例」を参照。また、当ブログでボイルオーバーについて言及した主なものは「ボイルオーバー=眠れる巨人=」を参照。

所 感
■ この資料はポーランドにおけるボイルオーバーへの認識を表していると思う。ポーランドのチェホビツェ-ジェジツェ製油所の原油タンク火災(1971年)では、直径33m×液位11.7mのタンクで、わずか5時間30分後にボイルオーバーが発生している。ボイルオーバーによって33人が死亡し、100人以上が負傷した大災害事例である。

 ● 過熱速度についての関心が高い。
 チェホビツェ-ジェジツェ火災では、計算値のヒート・ウエーブが202 cm/hと非常に高い。これを実験によって確認しようとしたもの思われる。過熱速度の観測データは3.12~17.01mm/minで、これは18~102 cm/hに相当する。実験では確証できなかったが、この資料では、「表に示されるデータは、原油は深い位置でも過熱しうることを示すとともに、火災時間が続くほど過熱された層の厚さは増すことを示している。この過熱された層は、広がっていくと同時に、いよいよタンクの底部の方へ進んでいく。この油の特性は、火災の消防活動時においてボイルオーバーやスロップオーバー現象を生じ、人や資産に深刻な危険に陥りさせることになる」としている。

 ● 直径50mを超える大型タンクのボイルオーバーの発生時の状況に関心が高い。
 チェホビツェ-ジェジツェ火災では、油が90~250mの範囲に放出されている。これはタンク直径の2.7~7.5倍に相当する。さらに大型タンクになれば、被害の拡大に危惧するものと思われる。資料では、「ボイルオーバーの燃えている油による被災地域は300mを超えるとみられ、タンク油量の25~65%が放出される破壊力」の危険性を指摘している。
 経験則としては、ボイルオーバーによる飛散影響はタンク直径の5~10倍の距離の全範囲に及ぶといわれているが、2016年8月の「中米ニカラグアで原油貯蔵タンク火災、ボイルオーバー発生」では、これを裏付けるようにタンク直径(約48m)の約10倍の半径500mの範囲に環境への影響があっている。

■ 日本におけるボイルオーバーの研究は米国・欧州と並んで進んでいるといわれている。一方、日本におけるボイルオーバーの事例は1964年新潟地震後の製油所でのタンク火災以降なく、石油貯蔵所や消防関係に携わる人でも、ボイルオーバーの危険性への知識や実感は薄いといえよう。この点、最近公表されたつぎの資料はボイルオーバーに関する基本認識を理解する上で有用である。
 「ボイルオーバーの事例と最近の研究」(2014年9月、消防研究所)
   過去に起きた50件のボイルオーバー事例とともに、国内外の研究の状況を紹介したものである。
   1983年英国アモコ製油所のボイルオーバー事例をもとに、日本の消防活動について考察したものである。
   FPEC社が開発したボイルオーバーのシミュレーション・プログラムを解説した資料である。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・Yadda.icm.edu.pl,  「 Boilover and slopover phenomena during a fire of storage tanks containing crude oil 」, bryg. dr in¿. Wojciech JAROSZ, Katedra Dzialañ Ratowniczych, Zaklad Ratownictwa Chemicznego i Ekologicznego, SGSP,  2011



後 記: なかなか興味深い資料でした。標題の写真をどうするか悩みました。当然、ボイルオーバーの写真になりますが、実際のボイルオーバーの写真は少なく、当該ブログでは使い切りました。写真は1926年に米国のタンク・ファームで起きた火災のものです。複数タンク火災で爆発もあっていますが、ボイルオーバーがあったのかははっきりしません。しかし、タンク火災の怖さが現れていますので、この写真を選択しました。
 ところで、久しぶりに地元周南市の情報を紹介します。唯一のデパート(近鉄松下)も撤退し、寂れる町になりつつある中、スーパー「ゆめタウン」(イズミ)が進出を決め、建設工事が行われていましたが、9月8日にオープンしました。今は連日、駐車場が満車の状況です。場所は旧出光製油所の佐保充填所(アスファルトと硫黄の貯蔵・出荷場)跡地です。タンクの解体が行われていたときから現在の状況を写真で紹介します。時代の移り変わりを感じますし、これで町が活気づくことを期待したいですね。
201210月 タンク解体
20139月 残ったスポーツクラブの移転と解体
20169月 スーパー「ゆめタウン」の開業

2016年9月7日水曜日

米国カリフォルニア州の製油所で硫黄タンクが爆発

 今回は、2016年8月26日(金)、米国カリフォルニア州ロサンジェルス郡カーソンにあるテソロ社のロサンジェルス製油所にある硫黄タンクで爆発が起った事例を紹介します。
(写真はKTLA.comから引用)
< 発災施設の概要 >
■ 発災施設は、米国カリフォルニア州ロサンジェルス郡(Los Angeles County)カーソン(Carson)にあるテソロ社(Tesoro Inc.)のロサンジェルス製油所である。

■ テソロ社ロサンジェルス製油所は38万バレル/日の精製能力を有する大型製油所である。発災のあったのは、製油所のプラント内にある硫黄タンクである。
           ロサンジェルス郡カーソン付近 (写真はグーグルマップから引用)
< 事故の状況および影響 >
事故の発生
■ 2016年8月26日(金)午後1時頃、ロサンジェルス製油所にある硫黄タンクで爆発が起った。

■ 発災に伴い、製油所の自衛消防隊が対応に出動した。ロサンジェルス郡消防署に製油所からの緊急連絡が入ったのは、8月26日(金)午後1時20分頃で、消防隊とハズマット隊(HazMat)がただちに出動した。

■ 爆発によってタンク屋根に裂け目ができ、そこから大気へ硫黄ベーパー(二酸化硫黄と硫化水素)が放出された。タンクの保温材の箇所から火災も発生したが、すぐに火は消された。製油所では、タンクから立ち昇る“水蒸気プリューム”を止めるための作業に努めた。

■ 事故に伴う死傷者は出なかった。

■ ロサンジェルス郡保安官事務所は、施設から1/4マイル(400m)以内に住む市民に避難勧告を出した。 製油所前を通るアラメダ通りの一部区間が数時間にわたって閉鎖された。避難勧告によって4つの会社が操業への影響を受けた。

■ プラント近くに住む市民からは懸念の声が聞かれた。近所に住む主婦のひとりは、「小さな子供がいるので、ぜんそくや大気汚染などの問題は非常に心配しています」と語っている。

■ 8月26日(金)午後6時に避難勧告は解除された。交通遮断されていたアラメダ通りの閉鎖も午後7時に解除された。

■ 製油所は大気質のモニタリングを行い、大気へ放出された化学物質のレベルは住民への重大な毒性を有するものでないと、テソロ製油所は発表した。また、避難勧告は予防措置として出されたものだと、郡当局は発表した。

■ 空撮によるビデオ映像を見ると、タンクまわりの地面上には破片が散乱しており、事故の激しさを示している。

被害
■ 硫黄タンク1基が爆発によって屋根の一部と保温材を損傷した。このほかに被災した設備はないとみられる。

■ 事故に伴う死傷者は出なかった。地元の住民に避難勧告が出されたほか、製油所構外の公道が、一時、交通遮断で閉鎖された。

< 事故の原因 >
■ 事故原因は調査中である。 

< 対 応 >
■ 発災に伴い、製油所の自衛消防隊が対応に出動したほか、ロサンジェルス郡消防署の消防隊とハズマット隊(HazMat)が出動して対応した。爆発後にタンクの保温材の箇所から火災も発生したが、すぐに消された。

■ サウス・コースト大気質管理部は発災場所まわりの空気質のモニタリングを実施した。有毒化学物質の有害レベルは確認されていないと、当局は語った。

■ テソロ社ロサンジェルス製油所は、発災のあったタンクを除いて通常どおり操業している。
                  発災プラント(白煙箇所)   写真KTLA.comから引用)
                 発災タンク(白煙箇所)   (写真KTLA.comから引用)
                       消防活動   写真ABC7.com の動画から引用)
                       消防活動   写真Foxla.com の動画から引用)
                    交通遮断   写真Dalybreeze.com 引用)
補 足
■ 「カリフォルニア州」は、米国西部の太平洋岸に位置する州で、人口約3,880万人である。州都はサクラメントである。 
 「ロサンゼルス郡」(Los Angeles County)は、カリフォルニア州の南部に位置し、郡都であるロサンゼルス市があり、人口約990万人の郡である。
 「カーソン」(Carson)は、ロサンゼルス郡の南に位置し、ロサンゼルス市街地から南へ21㎞のところにある人口約92,000人の都市である。

■ 「テソロ社」(Tesoro Inc.)は、1968年に設立され、当初は原油掘削と生産を行ってきたが、1990年代から主に米国西部において石油精製・販売事業にも進出してきた石油会社である。テキサス州サンアントニオを本部にして、現在は7つの製油所(精製能力89.5万バレル/日)と約600の販売店を所有し、約6,000名の従業員を擁している。
 テソロ社は、2013年にBP社からカーソン製油所とARCOブランドを買収した。現在、カーソンとウィルミントンにある2つの製油所を統合したロサンジェルス製油所36万バレル/日の精製能力を有するほか、1920年代に創業されたプラントの近代化への改造投資を行っている。

■ 発災のあったプラント名は明示されていないが、硫黄回収装置と思われ、発災タンクは溶融硫黄の貯蔵タンクとみられる。(硫黄回収プロセスの例は下図を参照)
 グーグルマップによると、発災タンクの直径は約16mであり、高さを8mとすれば、容量1,500KL級のコーンルーフ式タンクと思われる。隣接タンクも同じ大きさと見られるが、発災タンクでは屋根に補強用のリブ材が設けられている。事故前のグーグルマップでは、この補強用リブ材は無く、なんらかの理由(例えば、屋根の減肉の仮補修など)で追加設置されたものである。この屋根構造によって爆発時に屋根の一部に裂け目ができただけにとどまったと思われる。しかし、屋根の強度が高すぎると、タンクのアップリフトで底板と側板の接続部が破断して、内部溶融硫黄の大量流出につながる可能性がある。(リブ材は屋根と側板の溶接部を避けているので、一応、放爆は考慮されていると思われるが、応力解析までしたかはわからない)
                      硫黄回収プロセスの   (図はChemeng.in.coocan.jp から引用)
発災時(左)と発災前(右)のタンク屋根の比較 
写真は左: KTLA.com 、右:GoogleMapから引用)
■ 硫黄タンクの事故はつぎのような事例がある。
    (本事例についてはPEC SAFER 事故事例WEBラーニング「溶融硫黄タンク爆発事例」を参照。
     また、失敗知識データーベース「溶融硫黄屋外タンクの開放時の硫化鉄の着火による火災」も参照)
 
 なお、2014年6月に硫黄回収装置が爆発して、近くの貯蔵タンクに延焼した事例「中国南京市の製油所装置の爆発によって貯蔵タンクへ延焼」がある。

■ 「ハズマット隊」(HazMatHazardous Materials Response Team)は、消防署の中で危険性物質(
Hazardous Materials)を取扱うために編成された特別なチームで、化学、生物、放射能および爆発混合物の事故の対応を行う。最近は、日本でもハズマット隊を編成する消防署が出ている。
 なお、このブログで紹介したハズマット隊の対応事故はつぎのような事例がある。

所 感
■ 今回の爆発事故は、硫黄タンクで最も注意しなければならない硫化鉄および硫化水素が関係しているのは間違いないであろう。
 原因は調査中であるが、気になる点は発災タンクの屋根に補強用リブ材を施されていることである。これが、事故の原因を誘引したことも考えられる。例えば、屋根の減肉を補完するためのものであれば、屋根板が相当腐食して開口や隙間ができていただろう。この隙間から空気が流入して、内部で生成していた硫化鉄が発熱し、硫化水素に引火した可能性もある。

■ 一歩間違えれば、硫黄の大量漏洩になった可能性もあるように思う。負傷者がなく、住民への健康被害もなく、設備への被災も最小だったのは、幸いだった。このため、原因調査の結果は埋もれてしまうのではないかと危惧する。長期運転で経年劣化した設備に関する懸念事項は他社でも共通の悩みである。失敗を繰り返さないよう知見を公表されることを期待したい。


備 考
 本情報はつぎのインターネット情報に基づいてまとめたものである。
  ・KTLA.com, Rupture in Sulfur Tank Prompts Shelter-in-Place Order around Tesoro Refinery,  August 26,  2016   
    ・ABC7.com,  Sulfur-Tank Breach at Carson Refinery Triggers Shelter-in-Place Order,  August 26,  2016
    ・Foxla.com,  Explosion at Tesoro Refinery in Carson, No Injuries,  August 26,  2016
    ・Latimes.com,  Tank at Tesoro Refinery in Carson Blows Lid and Catches Fire,  August 26,  2016
    ・Dailybreeze.com, Tesoro Refinery Explosion, Fire Prompt Order to Shelter in Place in Wilmington,  August 26,  2016
    ・Losangeles.cbclocal.com,  Authorities Investigating Cause of Carson Refinery Explosion,  August 26,  2016
    ・Jp.sputniknews.com,  米国最大級の石油精製所で爆発,  August 26,  2016
    ・SCPR.org,  Tesoro Refinery Tank in Wilmington Explodes; None Injured,  August 27,  2016
    ・Hydrocarbonprocessing.com,  Sulfur Tank Explosion and Fire at Tesoro Carson Refinery,  August 29,  2016


後 記: 今回の事故を見ていて、米国も変わったと感じました。メジャーといわれていた石油会社が製油所操業から撤退し、後発で出てきた会社に代わってきていることです。テソロという会社名は初めて聞きました。会社は変わっても、働いているひとは大方変わっていないでしょうが、技術の伝承が心配ですね。米国石油協会(API)のAPI規格は技術標準として世界に知られていますが、これはメジャーの石油会社が引っ張ってきたものです。今回の事故も米国の製油所らしくない原因のような気がします。
 今回の事故で発災タンクの屋根に補強用リブ材が設置されていますが、グーグルマップで見ると後から追加されたものだということに気がつきました。クイズで間違い探しというのがありますが、両方を何回も見ていたのに気づきませんでした。グーグルマップでこのようなことを地球の裏側の一般人が知ることのできる技術にしたのも米国なのですよね。